いよいよこの日がやってきた。
ここ数週間、避けて通ってきたこの日が・・・・・・(-_-;)
発表会は夕方18時スタート。その前になにも予定は入っていない(当然いれてない)。
何度か練習し、音だしをし、満足できたところで身支度を整え、
余裕があれば美容院なぞいって
ステージ用に髪などセットしてもらってついでにメイクも・・・・・・・・。
そんなこたぁ夢のまた夢だった。
前日、私は医者を再び訪れていた。
「注射打ちましょう。そのほうが早く治りますよ(^_^)。放っておいてもずっと痛いだけですから。」
「明日、サックスの発表会なんですが・・・・」
「ほう。じゃあ打ちますか。神経の側に打ちますのでしばらく痺れがあると思いますが、
すぐよくなります。」
し、痺れ??!( ̄□ ̄;)!!
でも、なにもしないでこのままいるより、何かをしてどうにかなった方が・・・・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;)
ヘンなところで妙にポジティヴ・シンキングな私であった。
注射は手首を曲げた角にうった。こんなとこに針を刺すなんて・・・。
たまに倒れる人もいるから、とわざわざベッドに横たわらされた(-_-;)。
注射は結構慣れてるんだけど・・・こんなことされたら余計にビビルわん。
注射を打った瞬間、ブチッと大きな音がした。癒着が骨から離れた音らしい。そこが離れない
ままだと、骨折を起こすことになるとか。そう、腱鞘炎は放っておくと骨折になるのだ。怖っ!
痺れは結構長引いて、その日は寝るまでずっと痺れていた。よって練習は不可。
痺れた腕をかばっての仕事で精神的にも肉体的にも疲れていたらしく、翌朝目が覚めたら
すでにお昼近くになっていた(^_^;)。
ちょっと湿布なしで動かしてみるも、心もとない。怖くて動かせない、というのもある。
包帯を巻いているからこそ、勇気をだして動かせていた部分もある。
結局包帯を巻き、練習もできず、渋谷の会場へ向かった。
渋谷駅前、スクールからは徒歩5分くらいの場所にあるレンタルスペース。
近所に音楽系の学校がたくさんあるせいか、ドラム・ピアノがすでに据え置きされている上に
カウンターバーまである。
わが師匠はカウンターのなかですでにバーテンさんと化し、みんなのためにせっせとお酒を
作っていた(笑)。
(先生があの調子なら、私の出番はまだまだだな・・・・)
実際、先生には「手の様子みて、どうやるか決めましょう」と言われていた(7/11分参照のこと)。
まずは手の調子を聞いてくれて、酔いの具合と合わせて相談して決めるだろう・・・。
完璧にそう信じて、まずは呑めないお酒を飲んでホロ酔い加減になっておかねば、と、
普段最初には飲まないビールをぐびっと飲んでいた。空きっ腹にビールはなかなか堪える。
どんどん顔が赤くなっていくのがわかるくらい(*^。^*)。
隣に座った若い子たちと音楽の話で盛り上がっているといよいよ会は始まった。
「それでは、誰からにしましょうか?」MCの人がマイクでこういった。
ヽ(。_゜)ノ ヘッ? 順番決まってるんじゃないの?教室の受付に貼ってあった、あの順番じゃ
ないの?あの順番だから私後半だよね・・・・・・。不安が胸をよぎる。
その瞬間、なぜか一瞬、自分の席の対角線上にいたカウンターのなかの先生と目があった!
(うげっ!ま、まさか〜っ!い、いや、気のせい、気のせい・・・(-_-;))
自分のなかの不安を打ち消して、再び周りの子たちと話を始めた。
と、そこへ誰かがツカツカと近づいてくる!
人間の眼というのは本当にすごいもので、顔は真横を向いてるのに、正面からくる人の様子が
ハッキリわかっちゃったりするのだ。
「ほら、準備して!」その瞬間MCの人が私の名前をよんだ。「じゃ、始めてもらいましょ〜♪」
( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!
「ほら、早く準備する!」近づいてきたのは勿論先生だった。しかも顔は真顔。
ジョークじゃないのね、これ・・・・・。だ、だって、最後のほうだって・・・相談するって・・・・・・。
が、そんな私のパニックに誰も気づこうとせず、バックをつとめてくださる先生方が
おもむろにステージ上で準備を始めてしまった。
うぐぐ、周りはみんな若い子ばかり。この50数名のなかで
上から数えたほうがよいくらい大人な私がいつまでも駄々をこねてみんなの
時間を遅らせるわけにはいかない。
(ちっくしょ〜・・・・・・。だましたわね、先生ってばぁ・・・・・・・・・・・(:_;))
心臓バクバク、冷や汗ダラダラ、手はガクガク。本当に手が震えていた。
腱鞘炎以前の問題である。
さっき飲んだアルコールもどこかへ吹き飛んでしまった。
吐いちゃわないかしら、私・・・・・(ーー;)。
周りの子たちの明るい声援を受けながらステージにどうにかたどり着き、準備を始める。
リードの位置なんてどーでもいい。音だしすらできない。
だって、1メートル先には何十人もの顔・顔・顔!
しかも、今回の生徒のなかで、サックス科は私ともうひとりだけ。
他の人はみんなボーカルかギターなのだ。
サックスなんて、TVか学生時代のブラバンでしかみたことないって人たちばかり。
最初の演奏者である上にその珍しさも重なって、みんな怖いぐらいに静かに
私の動きを見つめている。
(お、お願い・・・・・。私を見ないでぇ〜・・・・・。聴かないでいいからさぁ〜。)
「大丈夫、大丈夫♪いつも通りにね!(^_-)-☆」
先生の声にはっと我に返った私の口からでた言葉はなんとも情けない言葉だった。
「先生〜っ!お願いだから一緒に吹いて〜!(;>_<;)ビェェン」
結局ソロの部分以外は一緒に吹かせた私であった(^0^*オッホホ。
だって一人じゃ寂しいもん!(爆)
いつものレッスンのように先生のフォローがありながらふけたお陰で、どうにかソロの部分もテンパって
数箇所フラジオしてしまった以外はどうにかテンポも先走ることなく無事に終わった。
ギターにベースにグランドピアノにコンボ、おまけに先生のサックスを従えての演奏。
ゴージャズなんだけどね(^_^;)
みなさんすごい拍手をしてくれてたようだったが、オバサンのように散々お辞儀をすると、
逃げるようにステージから立ち去った。はぁ、やっちまったぁ・・・・・・。
「あ、そうだ、手、大丈夫だった?」演奏を終えた私に心配そうに先生が声をかけた。
・・・・・・・おせーよ・・・・・・・・・・・(ーー;)
でも、本当のところ、ステージで吹いてる間、ちょっと気持ちよかった♪
勿論失敗もたくさんあったし、今まで先生に細かく指導されたことなんてスッカラカンに忘れて
演奏してたけど、正直なんか楽しかったのだ。
昔、高校生の時代にバンドをやっていたあの頃を、演奏しながらふと思い出していた。
みんなで練習して、ライトを浴びながらお客さんの前で演奏する。
楽器をやる醍醐味ってこれなのよね。一人で家で練習ばかりしてたって意味はない。
今回最初に演奏したことで迷う間もなくフッキレタ気がした。
次回があるのかわからないけど、今度はもっとエンジョイしたいな。
そしてもっと<ちゃんとした演奏>をひとりでやり遂げたい。
こんな気持ちになるなんて、自分でもビックリ。
そのためには、次回はもっと練習期間ちょうだいね、先生!3週間じゃだめだよん!(-_☆)キラーン