♪個人レッスン日誌-夏編-♪
■2002年9月26日■
「曲を勉強するには、まず耳で。」これは私のポリシーである。
子供の頃、ピアノの練習をするとき、小難しい練習曲が宿題になっても、楽譜をみただけでは
ちっともメロディーのイメージが湧かず、半泣きになりながら鍵盤を前にで試行錯誤していた。
が、高校生になってバンドを組み、知ってる曲をやる段階になると、楽譜なんて最初の音さえ
教えてくれれば後は勝手にアレンジまでして弾くことができたのである。
これが正直自分でも驚きだった。
そうよ!よくよく考えてみれば、フィンガー5だって、ピンクレディーだって、別に楽譜もなんにも
なかったけど何度も聞いてるうちに自然と覚えてたじゃん!しかも振り付けまで!(爆)
頭で考えるより身体で覚えたほうが早いっての。精神的体育会の私はそのことを実感した。
事実、ピンクレディーはいまだに振りまでほぼ完璧に覚えている・・・・(自慢にならんか・・・)

が、『On Green Dolphin Street』、先週買ったロリンズ様B.エバンスのはハイレベル過ぎて
役に立たんかったのは前回書いた通り。結局一週間、自分の頭のなかで楽譜と必死に格闘し、
前日になってようやく「これだ!」というリズムを見つけた。できてしまえばなんのこたぁないのだけ
ど、 自分の身体と頭で同時に理解して演奏するのって、本当はこんなに大変なことだったの
ね(^。^;)と 今更ながら知ったわけで。いい勉強になりましたm(__)mペコ
この先サックス、とくにジャズをやっていけば、初見で知らない曲をいきなりやらされることも
当然ある わけだし(←いっちょ前にプロのセッションに挑む自分を想像するドシロウトな
たねたん(爆))、 こういう壁も必要だったのねっ♪♪

・・・と、あくまでも前向きに考えつつ、半ば開き直り状態でレッスンへ。
「では、まんなかのドから下のシまで下がって、その後真ん中のドまで戻り、その後上のファまで
いっきに行きましょう!」
言われた通りに吹く。最近曲を吹く前の基本練習に多くの時間を割いているので、
このあたりは お茶の子さいさいなのだ。
「おお、下のシもかなりスムーズにでるようになりましたねっ♪練習の成果がでてるってかんじ!」
一応先生からもお褒めの言葉をいただく(*^_^*)
「一番上の音も問題なくスムーズにだせるようになりましたし・・・。ここんとこ、キーの高い曲
続けて やった甲斐がありましたね(笑) じゃあ今日は、一番上のファの♯。この音から一番
下のシまで 半音ずつゆっくり下げていきましょう。」
ピアノなら目をつぶってでも弾けるこのフレーズも、ことサックスとなるとまだ多少頭が混乱する。
特にいつもひっかかるのがドの次にシ♭を吹いてしまうこと。いかーん!

「ええっと、先週はどこまでやりましたっけ?」
「一応最後までさらっと・・・(;^_^A アセアセ」
「よし、じゃあもう一度念のためAメロから順に区切って吹いてみましょうか?
僕ピアノで伴奏しますので。」
昨日までてこずってたリズムのとこにくると緊張してしまったけど、どうにかそつなく(?)吹く事が
できた。
「うん、なかなかいいんじゃないですか?じゃあ、もうちょっと早めに吹いてみましょうか?」
メトロノームを動かして、このくらいで・・と先生が指示してきた速さは、ちょうど家で練習してる
時の 速さと同じくらいだった( ̄m ̄*)プッ
「ああ、大丈夫ですね、この速さでも♪じゃあこの曲はこれで終わりで・・・」
えっ?ええっ?あんなに苦労したのにもう終わりっ?!( ̄□ ̄;)!!
なんかちょっと寂しいわ・・・・・・・・(T-T)

そんな私の心知らず、先生はウキウキなかんじで新しい楽譜を私に手渡した。
『黒いオルフェ』『LEFT ALONE』『MY ONE OND ONLY LOVE』の3曲。
しかも『黒いオルフェ』は、B♭のテナー用の楽譜付。この曲知らないかも・・・・・。
「ええっと、今回はこの『黒いオルフェ』という曲で、コードの勉強をします。そろそろコードが
どうなってるか、ということを掘り下げて意識しながらメロを吹くことをし始めないとね。」
こ、コード・・・・。とうとうきた・・・私の恐れて・・いや、望んでいたことが・・・。
どうやって教えてくれるんだろう?Cメジャーはドミソーとかってかんじかな?
「じゃあ、宿題!この楽譜のコードの内容を調べて次週までに勉強してきましょう!
あ、書き込みできるようにもう一枚コピーあげますからねっ♪(^▽^)」
うっぴょ・・・・・・・・・・。自分で調べるのぉ???
多少なりともギターやキーボードやってた私にも、なんか見たことないコードばっかりやし・・・・・。
そもそも曲聴いたことあらへんしな〜(困ると関西弁になる私)。
「先生、ちなみに、このオルフェってどういう意味ですか?(素)」
曲の意味からわかりたい。嗚呼、文学部な私( ̄m ̄*)プッ。
「・・・・・えっ?!(ドッキーン)じゃ、じゃあ、それも宿題!調べてきましょう!(;^_^A アセアセ」
・・・・・・ずるい・・・・・・先生わかってなかったっしょ・・・・・・・・・・・
それ、私が家庭教師やってたときに生徒に難しい質問されたときによく使ってた手だわさ・・・・・
まずはCDから探すか・・・・・・(ぶつぶつ)

■2002年9月19日■ 

『On Green Dolphin Street』。久々に厄介な曲に出会ってしまったらしい。

この楽譜を先生から渡された時、正直どういう曲かわかっていなかった。
かなりのスタンダードなので多分今までも何気なくは聞いていたはずなのだが、このタイトルを
あまり意識したことは正直今までなかったので、先生が「こういう曲ですよ〜」とお手本を吹いて
くれたときも、あまりピンとこなかった。
(ま、いいや。スタンダードならみんなが演奏してるはずだからCDでゆっくり研究すれば・・・)
その程度にしか考えず、特に深くは考えなかった。いろいろ臨時記号はついているものの、
基本はCメジャーだし、特に難しいリズムもなさそう・・・・・・・。

甘かった。大甘。

まず、最初の練習の際に、初見でどの程度吹けるかチャレンジしてみた。
先生からいただく楽譜は、今のところ殆ど知っている曲ばかり。実際にサックスで吹くのは
初めてでも曲そのものは昔から頭に入ってるメロディーなので運指の確認さえできれば
大抵一度でとりあえずは吹けてしまう。あとはいかにジャズっぽく、かつ正確に吹くか、と
いうことがテーマとなり、 リズムがどうだとか、メロがどうなってるかなどに時間を割くという
ことはまずありえなかった。
んがっ!!!!この曲はそうは問屋がおろさなかった。
パッと見、簡単そうなメロなのであるが、裏拍で入るリズムばかり。
耳で聞けばノリのいいリズムでも、楽譜にされるとてんで感覚がつかめない。
いや、感覚がつかめない、というより、かえって訳がわからなくなる。
もし、この楽譜通りの演奏のCDがあれば楽譜をみないで演奏を耳から仕入れたほうが
余程早く演奏できるくらい(^_^;)。
しかし、手元にはオリジナルCDはない。楽譜をみながら(こんな感じかなあ??)という
情けない 感覚で自習するしかない。

家のCD群を探したものの、よりによってこの曲が入ってるCDはなかった。
慌ててHMV経由で検索し、ロリンズとビルエバンス物を見つけ発注するも、よりによって
発送に5日もかかるという。間に合わない・・・・・(T-T)
こうなったら自分の感覚を信じて練習するしかない。が、真ん中あたりのところで常に
リズムがひっかかってしまう箇所がある。そこさえクリアすれば後は完璧になってきたのに・・・・。
嗚呼、先生のお手本ちゃんと聞いてりゃよかった・・・・・(;o;)ウエーン

何度か練習するも毎回ある小節にくるとリズムが狂ってしまう。
付点四分音符と八分音符の簡単な組み合わせなのだけど、その前と後の小節とは違う
リズムであるため、それまでのノリのまま勢いでいってしまうと、運指が絡まってグシャグシャに
なってしまうのだ。
オリジナルの曲が聴ければ何度も何度も聴いて身体で覚えこんで解決できるのに・・・・。
考えて考えて、考えすぎて余計にどんどんドツボにハマっていく・・・無間地獄・・・・(T-T)

レッスンの前日、とーるさんのライブに行った。
A型でハマりやすい性格の私は、時として一生懸命になりすて、音を楽しむ気持ちを
つい忘れがちになる。
試験があるわけでも、プロになるわけでもないのにここ数日の私は確かに必死になりすぎていた。
今回のライブはそんな私の気持ちをときほぐすのにいい機会と思えた。
レッスンの前日なのだからもと練習したい、という気持ちをぐっと堪え、今回の会場の
六本木『Misty』へ向かった。
スタンダードを素敵なボーカルやサックス、ギターで演奏してくれるとーるさんのライブはいつも
本当に楽しい♪ゆかいな仲間(爆)も集まっていい演奏を聴けるこの時間は本当に癒しの時間だ。
明日のレッスンのことなんかすっかり忘れて満喫していた矢先、3rdステージの第一曲目が
確かどこかで聴いたような・・・・・?ヽ(。_゜)ノ
あっ!これは紛れもない『On Green Dolphin street』だぁっ!!( ̄□ ̄;)!!
ボサノバなかんじでアレンジされていたのでやはりオリジナルとは多少違うのだけど、
やっぱり有名なスタンダードなんだな、ということを実感。修行がたらんなぁσ(^◇^;)。
家に帰るとHMVから荷物が届いていた。真夜中だというのにロリンズとビルの演奏を聞きまくる。
ロリンズはアレンジしすぎてて肝心なところがわからんちん(T-T) 曲としてはいいかんじなのだが・・。
ビルのピアノもかっこよすぎて肝心なところが・・・・。結局人に頼るなってことかいな(^_^;)

レッスン当日。ちょっとドキドキ。
いつも通り楽しくお話しながら、スケール練習等をして、いよいよ本題へ。
「じゃあ、最初からちょっとづつやっていきましょうか?」
4小節づつ先生がお手本を吹いてくれて、その後一緒に吹く。
最初は問題なかったのだが、次の4小説で問題の箇所がでてきて、案の定先生の演奏と
バラけてしまう。
「あ、あれ??リズム違ってるよ??(^。^;)」
そうなんです・・・・・うまくふけないんです・・・・・・
「ここ、ずーっと練習してるんですけど、どうも違うリズムになっちゃうんですよぉ(T-T)」
「じゃあ、どういう風に吹きたくなっちゃうのか、やってみて!」
頭のなかにこびりついてるリズムで吹いてみる。
「うんうん・・・・。それもアリ!それがいわゆる『アレンジ』ってやつだから♪で・も〜、とりあえず
今日は まだ第一回だからまずは楽譜通りに吹いてみましょうねっ(^_-)-☆」
そうだよね、そうですよね・・・・。アレンジっちゅーもんは、基本ができてからやることっすよね・・・。

「『モタる』って言葉があるんですけど・・・」
モ、モタ???
「実際のリズムよりちょっと遅らせることをそう言うんですよね。もたつくってのとはちょっと違うんだけど。
意識して、わざとフレーズを伸ばして遅らせて演奏する、みたいな。例えばこんなかんじ。」
そういって先生はいかにもジャズっぽいフレーズをそれっぽく演奏してくれた。
「ね?こういうのもアレンジのひとつ。バンドでセッションしたりする時に『じゃあ、2コーラス目の
このフレーズでモタるので・・・』とかって打ち合わせしとくんですよ。アドリブは好き勝手にやって
いいけど テーマを演奏する場合には予めある程度ルールを決めておかないと、急に好き勝手な
ことやると 焦って演奏とまっちゃう場合もありますので(笑)」
ほう・・・φ(.. )メモメモ
「で、わざとモタらせるんならいいんですけど、そうじゃない場合は単に『できてない』訳で。」
あ、私のことか、それ・・・・( ̄□ ̄;)!!
「で、『モタる』とは逆なのが『くって入る』って言うんですけど、それはこんなかんじ」
また先生が演奏例をやってくれる。おお、ちょっと早めに入ることね!
「そう、通常のリズムより8分もしくは16分早くはいることです。『キメのとこでくって入る』とかって
言うんですよね♪」
なるほど・・・・φ(.. )メモメモ で、私はワザとやってるわけじゃないからダメ、と・・・・(-_-;)。
「これはもう練習しかないですね。別に難しい運指ってわけでもないので、一度できちゃえば
簡単だと思うんですけどね〜。他のフレーズはちゃんと演奏できてるし♪」
・・・・・練習してきます・・・・・・・

で、発表会のことには一言も触れずに終わった今日のレッスンでした。
早く曲決めようよお、先生〜〜っ!o(><;)(;><)o ジタバタ 

■2002年9月12日■ 

「寝不足はサックスの大敵です。レッスンの前日は夜更かしだめですよ!」
いつも私が先生に言われてることσ(^◇^;)。寝不足でも、失恋後でも、全部音に
でちゃうらしい(前に先生が彼女と別れた時は私達生徒が当てたが( ̄ー ̄)ニヤリッ)。
そして今日、私はめっちゃ寝不足でござんした・・・。
昨晩は朝方3時にベッドに入ったがなかなか寝付けず結局眠れたのは4時過ぎだったと
思う。居間にある鳩時計が3時半を打ったのまでは覚えてるから・・・・。

しっかぁ〜し!これもすべて先生のためなのよぉっ!(T-T)
先生に頼まれてたHP関係のページを作るのに時間がかかっちまったわけで・・・。
まぁ、別に今朝までにやっとくれとは頼まれてはいなかったけど、律儀な性格のたねたんは
ついレッスンの手土産代わりにがんばっちまった訳だあねえ(とほほ)。
必死の思いでアップし終わって、先生に報告がてら泣き言(恨みつらみとも言う(爆))書きまくった
メールを送るもレッスン時にはまだチェックしてないはず。
こんなにオネムな顔でアンブシュアもヘロヘロなんだけどその理由は言わなかった偉い私♪
そして先生は、帰った後に悪魔のメールを受け取るのだった・・・ひっひっひっ(悪)。
今頃ハタ!とひらめいた上で感激の涙を流してるか、鳥肌たって脂汗流してるかどっちかだわ(爆)。
とりあえずフラフラヘロヘロになりながらレッスンに向かいました。

疲れてて全くヤルキを見せず、楽譜のファイルさえ開こうとしない私の異様な様子に気づくこともなく
「じゃっ、音だししましょうか♪」といつも通り爽やかにレッスンを始める先生。ヾ( ̄∇ ̄;)おいおい!
ま、いいか・・・・・・・・・・・・←ちょっと寂しい(T-T)
「真ん中のドから下に下がってシまで、そこからまた上に上がって今度は一番上のファまで」
一番下のシを出すところで運指的にちょっとつまづいてしまうものの、結構スムーズ♪
「下のシをだすのにかなり左肩入ってる感じですが(笑)、♪ミレドシドー♪っていうのを繰り返し
練習すれば慣れてくると思いますよ。一番高音のあたりは大分慣れましたね。
もう余裕でだせるでしょ?」
そう、あれだけ高音が続く曲を何曲もやれば嫌でも身に付くってもんよ!(^_^;)
「じゃあ、三度音階やってみましょうか?これスムーズにできるようになると後々楽ですよ♪」
先生は最近ヤル気をださせる殺し文句に「後々楽ですから」というのが定番になっている。
なにかとあるとすぐこのセリフを言う。う〜ん、後々って一体いつ頃のことなんだ???
「さ、三度音階?」
「そうです。♪ドーミー、レーファー、ミーソー・・・・ってかんじで三度づつ音を上げていってください。
ええっと、こんな感じで・・・・。」
そういって先生は物凄い早さでタラリララーと一番下の音から上の音まで2オクターブ分を
行ったり来たり三度づつずらしながら吹いてくれた。
そうそう、昔よく家の前の音大の校舎から聞こえてたアレだわ〜!
「ゆっくりであれば今の実力で簡単にできると思いますけど、これをどんどん早めにしていって、
今僕が吹いたくらいの早さでもスムーズにできるようになれば後々楽です。
これは来週までに、ということじゃなく、サックスをやる限り一生(笑)課題として練習してください。
例えば、河原や公園で練習したり、人前で演奏する前の音だしとかでこれができるのと
できないのとでは大違いというか、やってる本人だけじゃなく、
聞いてる相手側もこれを聞いたら納得、というか、やたらめったらヘタな演奏をいきなり聞かされるより、
こういうのをまずサラーっと吹いてからやった方が好意的に
なってもらえます(^o^)」
そっかー。確かにこの前読んだ本で、墓地で練習してたらあまりの下手さに、墓地を掃除していた
ご老人達から大クレームがきたって話を読んだばかりだったっけ。
外で練習できる程まだ度胸はないけど、 またそのうち発表会があるだろうからその日のために練習しておこうっと〜♪

三度音階を納得いくまで練習して、いよいよ『トッカータ』。
「先生、これがP・モーリア氏のCDでございます・・・・・」
貸して欲しいと頼まれたCDを先生に手渡した。このCD買うの、大変だったのさ。
ネットで曲名で検索してもクラシックの情報しかでてこない。そう、『トッカータとフーガ』。
しゃーないのでHMVサイトで<ポール・モーリア>で調べたら出てくる、出てくるぅ!!
商売し過ぎやっ、オッサン!(爆)
ベスト版に入ってるだろうと探したら「グランド・ベスト」「ゴールド・ベスト」「ベスト20」等、いろんな
ベスト版があってお値段もマチマチ。安いのでいいや、という気持ちと(どうせ買うなら・・)と貧乏根性も
ムクムクわき起こり、会社のPCの前で10分近く悩んでしまったσ(^◇^;)
結局お店で実物を手にとって考えよう、という結論に達し、帰りに新宿のタワレコへ寄って探したのだ。
が、<ポール・モーリア>の曲ってジャンルはなに?クラシックじゃないけどジャズでもない・・・・・。
かといって、わざわざ若い店員さんに聞くのもちと恥ずかしい・・・・・((((((^_^;)
うちの母親世代に受けてた音楽だからな・・・・・タワレコなんかにないかも・・・・・・・
だが、今更引き下がれない。CDなくても大丈夫だけど、あった方がより演奏に深みがでるってもんよ!
ここでくじけてたらいいミュージッシャンにはなれないわっ(必死)。
真剣な面もちでクラシックフロアーをまんべんなく探し回って、やっとのことで奥のちょっと
異質なコーナー(笑)に 彼のCDコーナーを見つけた。ふぅ。
・・・・・ってなかんじで大分苦労して買ったCDだったことを延々と先生に説明し、有り難がれ、と
言わんばかりに もったいぶって手渡したのだった(爆)。
先生のお年じゃ私よりもこのCDは入手難しくってよっ(^0^*オッホホ
「貸してくださいm(。-_-。)m」と言われたのでもってきたのに、なんだかあんまり嬉しくなさそうな
今日の先生であった。
過去にもマイルスとか、いろいろ貸してあげてて、以前はその場でかけたりしてたのに・・・・(^_^;)

気を取り直し(笑)、とりあえず先生と一緒に演奏してみる。
うん、まあどうにかなってうかな?(自画自賛)
「じゃあ次は僕ピアノで伴奏しますから、ひとりで吹いてくださいね(^_^)」
先生のピアノに合わせてひとりで吹く。
「そうですね〜、ここがどうもリズムが走っちゃいますねえ(^_^;) 気持ちはわかりますが正確にね。
 じゃあ、もう一回頑張ってみよう!(-_☆)キラーン」
この曲は長い。めっちゃ長い。多分今までの曲のなかで一番長い。
単純なメロの繰り返しだが、その繰り返しが多いのだっ(T-T)
一回目はどうにか保てたアンブシュアだけれども、二回目ともなるといい加減口の力も抜けてくる。
案の定、二回目の演奏の最後の方は口の両側から息がスハーッ!スハーッ!と抜けてしまっていた。
その都度先生もピアノを弾きながらこちらを振り向いていたので、多分わかっていたのでしょう(ーー;)
吹き終わった後に自分から「い、息が口の両側から洩れまくり・・・・・(;^_^A アセアセ」と言い訳すると
( ̄ー ̄)ニヤリッと笑って「ま、これも慣れですね。(口を)鍛えれば直りますから」と、
ご自分の顔を使っていろいろな顔面筋肉運動を披露してくださいました。
すっごい効きそうだけど、人前でやらないように気をつけなくっちゃσ(^◇^;)

「まあ、この曲は長いだけで、それを克服さえすれば大丈夫ですね♪じゃあ、次はこの曲を
練習してきてくださいね〜」
そういってレッスンの最後に渡された楽譜は『On Green Dolphin Street』という古い曲。
???ヽ(。_゜)ノ ヘッ? ・・・・・・・知らない・・・・・スタンダードって書いてあるのに・・・・・
先生がAメロだけちょこっと吹いて聞かせてくれた。
聞いてもわからん・・・・・・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;)
どこかで聞いたことあるような感じではあるのだが・・・。うぐぐ、くやじー(T-T)

そして、受付に戻って次週のレッスンの予約をいれようとしたら、受付カウンターの
下に張り紙がっ!!

「12月○日(秘密♪)、赤坂B♭にてスクール・ライブ決定!」
ヽ(。_゜)ノ ヘッ?
「ああ、これこれ。忘れてましたっ♪」
ヽ(。_゜)ノ ヘッ?
「発表会ですよ、発表会っ!」
ヽ(。_゜)ノ ヘッ? だ、誰の?先生の???(素)
「( *`へ´ )_θ☆( ゜∇゜) ゲシッ このスクールのに決まってるじゃないですかぁっ!
また頑張りましょうねっ!(-_☆)キラーン」
うっぴょ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ̄□ ̄;)!!
今度は一番最初は嫌じゃぁ・・・・(T-T)
っていうか、今回こそは早めに曲目決めて練習させてね、先生ってば・・・・・・

■2002年9月5日■

技を習得するにはそれなりの努力が必要なことは当然わかっている。
前回先生から宿題にだされた替指の高音のミを今回死ぬほど練習した。
この運指は本当に難しい。その音だけをだそうとするとしても、アンブシュアがかなり微妙。
かなり力入れて吹かないと「ヘロ〜っ」という情け無い音になってしまって腰砕けになる(^。^;)。
アンブシュアができたとしても、私のようなちっこい手の人間にはかなりキツイ押さえ方。
メロの流れでスムーズに押さえようとしてもかなりの練習が必要だ。
今回の曲では「♪ラミー♪」の繰り返しだけなので、そんなに難しくないはずなのだが・・・。
必死の練習のお陰でどうにか正しい音がでる確率があがってきたところで今日のレッスン。
どうにかなるっしょ〜♪

いくつかのスケールを吹いたあと、タンギングについて相談をした。
実は前回レッスン終わった後、楽器の片付けをしながら自分のタンギングについて先生に
相談していたのだ。前から何度もここにも書いているのだが、私は正直タンギングがあまり
得意ではない。前回曲を演奏していたときどうしてもタンギングをしているとスパっという音が
頭蓋骨中に(爆)響いていて、正面にいる先生にもその音が聞えていたかどうかすごく
気になっていたのだ。自分ではあまりうまくできてるようには思えなかったのだ。
先生には特に気になる変な音は聞えてなかったということだったが、今後の私の課題として
考えておきましょう、といってくれていたのが先週のこと。
そして今日のレッスンの最初に、色々な方法でタンギングの練習を教えてくれた。
いろいろ試した後に、ふいに先生が
「この曲、知ってます?( ̄ー ̄)ニヤリッ」と言ってある曲を吹いた。
♪キーラーキーラーひーかーるー・・・♪
「そう、その曲です。さあ、これをドではなく今吹いたのと同じスケールで吹いてみてください!」
そう、まさにタンギングの練習♪そしてヒアリングとスケールも!
ピアノで弾くところの♪ド、ド、ソ、ソ、ラ、ラ、ソ〜♪を♪ラ、ラ、・・・というメロで演奏、あんど
ちゃんと1音づつタンギングして音をだせ、ということなのだ。しかも音階をちゃんと考えて。
最近CD聞きながら一緒に吹いて練習したりしてたからこういうのは得意かも♪
そう、こういうのは、ピアノをやってた時の訓練が聴いてくる。最初の音さえわかれば(爆)
あとのメロはどうにかだせる。その音階がなんですか?って急に聞かれても答えられなくとも!(笑)
メロディーはとりあえずすんなりふけた。しかも期せずしてスイングしてしまったら(*^_^*)、
「じゃあ次はこのテンポで・・・」といろいろなリズムで演奏するように言われてトライしてみた。
知ってるメロをいろんなリズムやテンポにアレンジして演奏するのって楽しいな♪
「これ、できるといいんですよね。いきなりセッションとかしたときに、『じゃあ、あの曲をキーは
これで、リズムはこれで、これくらいのテンポで・・・』ってその場で言われたりすることが多いですから
ただ与えられた曲を演奏できるだけじゃなく、そういう臨機応変な対応ができるようにならないと
この先きついですからね♪」
先生ありがとう!この先のことも考えてくれてるのねっ(笑)←当たり前!

さて、果たして私は高音のミ(替指)は克服できたのだろうか?・・・・・残念ながら、否。(T-T)
家での練習では結構だせてたあの音が、先生の前では一度もメロディーの一部として
だせることがなかった。途中で壁に向かってひとりで練習させてもらったけど(おいおいっ)
結局その時はだせずじまい。「いいですよ、今日は普通の方でいきましょう」ととうとう
先生にストップをかけられてしまったわけで・・・(;^_^A アセアセ とほほ。
でもその音以外は結構うまくふけてたみたいで、レッスンの後半は先生もピアノの伴奏をやめて
まぶたをとじながら(爆)ノリノリで一緒に気持ちよさそうに演奏してくれました♪

「ええっと・・・・じゃあ来週は『トッカータ』ですね。」
「先生・・・すんごい恥ずかしかったんですけど、買っちゃいましたよ、ポール・モーリアのCD!」
「うっそ!貸して欲しいかも・・・( ・_・)ジッ」
そりゃフツー買わないよな・・・言っておきますが、私の世代よりももっと上、うちの親の世代の
人気者です!・・・と妙に真剣に主張してしまった自分が情けなくなりました・・・・(T-T)
ちくしょー、こうなったら練習してきてやるぜい!

■2002年8月29日■

ここんとこ体調を崩していたのは前回書いたが、レッスンでもどうも上手く音がでなかったのは
どうやら原因があったらしい。
レッスンの後(実はレッスン中からおかしかった)手がしびれていた。腱鞘炎のときに注射を打たれた
後のような痺れ。しかも右手だけじゃなく両手。そして両足も・・・。
おまけに眼がさめたら天井がぐるんぐるんと回っていた。んな、アホな・・・・(-_-;)
あまりにもおかしいので病院へいくと、自律神経失調症だという。原因不明の不定愁訴は
イマドキはすべてその病名にされてしまうらしいのだが。まあ夏バテっしょ、私のばあい。
とりあえず「夜更かし禁止」と言われてしまった。サックスの練習は?と聞こうと思ったが
めまいしてるのにサックス吹けるのか?と逆につっこまれるとヤバイのでやめておいた。
実際お腹も壊してたりして、力はいんないんだけどね・・・σ(^◇^;)

(さすがに今日はレッスン休もうかなぁ・・・)
仕事帰り、家に向かう道すがら何度もそういう思いを頭をよぎった。実際たった数分の駅から
家までの道のりがとても遠く感じられて歩みが重い。この体調であの重いサックスを担いで
この暑い道をまたでかけるのか・・・・・・・。
部屋につくとまさに<バタンキュー(死語?)>というかんじでベッドに倒れこんだ。
(だめだ、こんなんで行っても吹けやしない・・・・渋谷の雑踏のなかでぶっ倒れるわ・・・)
あきらめかけた瞬間、ふと思い出した。そう、こんなに体調が悪かった今週、実はいつもより
練習していたのだったσ(^◇^;)。しかも昨日は違うお稽古が入ってたのにそれを休んでまで
サックスの練習してたんじゃん・・・・・・・・。そしてとうとう考えは結論に達した。
「せっかく練習したのに、勿体無い。」
見事なオバチャン的発想ですべては瞬時に解決し、私は何事もなかったかのようにレッスン用に
身支度を整え(単に丸の内OL用洋服から渋谷ミュージシャン用ださださ服に変わるだけ)、
スクールに向かった。先生、待ってろよぉ〜っ!

「先生、そういえば、レの音、でるようになりました。あ、正しくはでる確率が高くなりましたっ!」
「あはは、そうですか。よかったですね〜♪実際微妙な噛み具合の差なんですよね〜。」
前回の日誌に書いたように、私は中音のレの音が急にでなくなって悩んでいた。
HP上に書いたお陰でいろんな先輩方にメールでアドバイスもいただいた(その節はありがとう
ございました〜m(__)mペコ>ALL)。で、要するに、ドからレに音があがるということで、
高い音になるんだから噛まなくちゃ!って意識が強くなるんだけど、でも指はほとんど押さえてる
のだから息もひとつ前のドの時より強く吹かなくちゃあかんし、実際低音を吹く場合にアンブシュア
の下あごの部分を微妙に噛み替えることを中音でもしなくちゃいけなくて、でも音は高くなる訳
だから高音をだすために低音のレを吹くときより噛みも強くしなくちゃいけないし・・・・・・・と、
まあ文字にすりゃスラスラでてくるんだけど、これをいっぺんに瞬時にやれっていわれてもアータッ!
今ままでは何も考えずにできてたことでも、慣れのせいでどこかひとつが狂うとすべてが狂う。
まさに先週の私はそんなかんじだったようだ。
で、いろいろ教わったなかで一番「効いた!」と思ったのが、先生のメールに書いてあった方法。
「低音のレをブーっとある程度の長さで吹いて、その後オクターブキーを押さずに中音の
レをだしてみてください。ちゃんと正しいアンブシュアできてないとなかなか難しいですよ」とのこと。
そういえばサックス習いたての頃、オクターブキーを押さずにこ
の練習してたっけ。
いわゆる『オーバートーン』って奴ですな。本当はアンブシュアをかえずに喉の奥の操作で
ちゃんとだしたほうがいい、とする説もあるのだけど、まあ私のようなビギナーちゃんはそこまで
急には無理なのでとりあえず噛み具合を多少変えてでもいいから運指を使わずに
上のレと下のレをだす練習をすればよいのだ。で、その練習のお陰で悩んでいた中音のレが
復活したのだぁ〜(T-T) 最近そういえばアンブシュアがなんか横広がりちっくで脇から息が
漏れることが多かったんだけど、ちゃんと正しいアンブシュアができてなかったのね、きっと。
今回の件でまたスタートラインに戻れたような気がします。やれやれ。

「ええっと、じゃあ今日は新しい方の曲やりましょうか?レがでるようになったんだったら、
もう『Here, There・・・』のほうは問題ないですよね♪」
先生、またぁ・・・・。いつもの悪い癖である。人が必死で練習きてるってのにその成果をださせる
こともなく花丸で次、である。いやん、いけずぅ〜o(><;)(;><)o 。
『SAVING ALL MY LOVE FOR YOU』。いわずと知れたホイットニーの名曲である。
ジャズでも結構演奏されてることが多く、私は『HANK CRAWFORD』のアルバムを買った。
で、この曲は二連八分音符で書かれてるところを三連譜のように演奏するのだ。つまり、
スタッカートのように。そう、そこで私は気がついた!そうなったらオリジナル通りやん!
いや、渡された楽譜通りに吹くとホイットニーの歌うテンポとはちょっと違うなあ、と
とまどいながら練習していたのだった・・・・。よくみれば、楽譜の冒頭にその旨が記してあった(^。^;)
うっしっし、こうなりゃこっちのもんよ〜♪頭のなかでホイットニーに歌わせながら伴奏として
吹けばよいのだわ〜( ̄ー ̄)ニヤリッ
レッスンでは初めてだが、最初にこの楽譜をもらったのはもう数週間前。その頃から練習していた
のだから♯が何個つこうがもう堂に入ったものだ。
「じゃあ、この楽譜は主音はなんでしょう?」
いきなりの攻撃!「ええっとぉ・・・。♯が3個だけど、後ろから二つ目っていうのは・・・」
「それは♭のときでしょ?(笑)」
わかってるって・・・今言おうと思ったんだってばぁ〜・・・・・(T-T)
「・・・・ということは、♯の場合は一番最後に♯がついてる音の半音上が主音だから・・・」
「だから?」
「ソの♯の半音上は・・・ラ!(ドキドキ)」
「あったり〜(^-^)//""パチパチ 正解!」
嗚呼、心臓に悪いわ・・・・急に聞くのやめて欲しいっす・・・・・(-_-;)

「全体的によく音はでてますね。タンギングもちゃんとできてるし。」
へっへ〜♪だってひとつ壁を乗り越えたもん♪
「じゃあ、また裏ワザひとつ。替え指ね。この一番上のミの音、今こうやって吹いてるけど、
もうひとつ押さえ方があって・・・・・」
ふむふむ、そんな上のほうにそんなキーがまだあったっけ?(素)
「まぁ、絶対これで押さえなくちゃいけないって訳じゃないけど、この曲の場合は多分
この押さえ方の方が楽だと思います。余裕ありそうだし、いろんな運指できたほうがいいので、
次回のレッスンまでにこっちの運指でもう一度この曲練習してきてくださいね〜」
唇が解決したら今度は運指だぁ。サックスはホントに奥が深いぜ!

■2002年8月22日■

前回が振替で日曜日だったせいか、今回は次のレッスンまで日にちが少なかった。
そしてこんな時に限ってアフィター5にイロイロなアポが入る。おまけにこういう時に決まって
体調を崩し、練習どころじゃなかったりする。嗚呼(T-T)

不安な気持ちを抑えつつスクールへ向かう。
練習できなかったことをどう弁明すればいいだろうか・・・・とムニャムニャ考えながらエレベータに
乗り、受付のある4階に着くと・・・・・・・・・
おわっ!( ̄□ ̄;)!!人たくさんいてエレベーター降りられないしっ!
な、何がおきてるん???????
ふと見ると、はるか遠くの壁際に、ギター科の先生がにっこり笑ってこっちを見てる。
ふと横の階段に眼を移すと、階段の踊り場で先生が他の先生方と談笑していた。
「先生・・・・な、なんですか、これ???」
たくさんの人が楽譜らしき紙を手にして、真剣な表情である。
「あ、すみませ〜ん(^。^;)。今日からゴスペルのクラスが始まっちゃって・・・。これから隔週で
こんな感じなんですよぉ。とりあえず、スタジオ入っちゃってくれますか??(;^_^A アセアセ」
満員御礼で、実は先生方も追い出されてるらしい(爆)。
そうか、このクラスのためにあの狭かった受付を綺麗にリフォームして広くしたのねん。
っていうか、この大人数の方の伴奏をクリスマスにするのか、私??嘘や・・・・・。

「先生、私最近悩んでるのです。音をだす瞬間にふと自信がなくなって・・・。
で、音がひょろーんと。」
「じゃあ、久々にロングトーンやってみます?10秒吹いて、5秒休んで、また10秒吹いて。
長く続けられれば長くしちゃってもいいですよ。最近アンブシュアまで不安定になってるようですし、
こういう基礎練習もこまめにやったほうがいいですからね。」

ぶーっ。とりあえずやってみるが全然だめ(-д-;。 ひどい時は10秒も続かない。
うっそー。サックス始めた頃はもっとできてた 気がするんですけど・・・。
体力落ちたのだろうか?歳??Σ( ̄□ ̄;)
「まあこれも練習すればどんどんできるようになりますから(^ー^)」
そういって先生は軽く30秒越えのロングトーンをやってみせてくれた。すっぎょい・・・・・。
基礎は本当に大事。基本がなってないとダメなのだ。
「超」がつくほどの名プレイヤーの方々は、ステージ上でいかに踊りまくったりしていようが、
肝心なアンブシュアなどは微塵もゆるぎのない正しい定位置であるが故に
あの名演奏が可能なのだそうだ。
そこまで熟練するには、やはりそれなりの努力・練習が必要なのかもしれませんなぁ・・・・
ローマは一日して成らず(爆)。

「じゃあそろそろ曲にいってみましょうか?とりあえず楽譜の構成通りに一回吹いてみましょう♪」
<とりあえず>言われた通りに吹いてみる(^_^;)。
一回しか練習してない割には既に楽譜はもう殆ど頭に入っている。
が、タンギングがそこに追いつかない。
先生はピアノで伴奏してくれながら、( ̄m ̄*)プッっと何度も笑っている。
「タンギング、引っかかってますね〜( ̄ー ̄)ニヤリッ」
「は、はい・・・(-_-; なんか運指で頭のなか一杯イッパイで、吹きながら
(あっ!ここタンギング必要だった!) って急に気がつく、ってかんじなのでどーも・・・(ぼそっ)」
「MPのくわえ方が浅いのかなぁ〜?タンギングしようとしても慌てちゃってかすってるか(笑)、もしくは
深くくわえ過ぎるのかなあ???深すぎてもうまく当たらないからだめなんですよねえ。
あと噛みすぎてても。」
もともとタンギングはあまり得意ではない。ちゃんと基礎練習を重ねてモノにしておかなかったので
どんどん曲が長くなって複雑になってくると、正味な話タンギングどころではないのである。
いや、もとい、タンギングのことまで脳味噌が考えきれないのである。嗚呼(@_@;)。
もう一度、今度はタンギングを意識して吹いてみる。焦らないように、走らないように・・・・。
「ほら、大丈夫じゃないですかっ(^o^) 急いで焦っちゃうとタンギングも失敗しちゃいますけど、
この曲はそんなに焦らないでいい曲なんですから、8分音符が連続ででてきたとしても
じっくり落ち着いて、 タンギングでしっかりひとつひとつ音をだしてあげてくださいね。」
ロングトーンに続いて、タンギングも基礎からやり直しってことっすかね・・・・・。とほほ・・。



「ええっと、まあ大体曲の流れはつかめたようですね〜。そろそろもう楽譜も頭に入ってるかと
思いますので次の音はなにがくるか、というのを早め早めに察知して運指の準備しておくように
したほうが、よりスムーズに演奏できると思いますよ。
ほら、シ♭を押さえる時ちょっと遅れてるでしょ?でも前の音を吹いてから
何拍か時間がある訳ですからその間にこっそり指を移動させておくといいんですよ。」
そう、この曲のAメロはシ♭がでまくりなのである。
シ♭の練習のための曲、といっても過言ではない。
前にでてきたシ♭をどう押さえればいいか、の討論である(笑)。しかし今回の場合はあまりにも
頻繁にでてくるので違いを考えている暇はない。今回はとりあえず先生のいう定番のおさえ方
(右手人差し指でふたつ一緒に押さえる)でいくことにした。っていうか、もうひとつの方はこの曲じゃ
無理っ!!(T-T)

そしてある難題が突然持ち上がった。
上のレの音がでないのである。いや、正確には、音はでてるのだけど違う音なのだ(;^_^A アセアセ
アンブシュアが悪いのか、運指が悪いのか、どうやってもでない。しまいには、その音だけで
ロングトーンをしようと、メロではなく単音でだそうとしてもでなくなってしまった。
小学生の頃、夏休みの宿題とかで漢字のかきとりの練習をしていた時、
何度も同じ漢字を書きすぎてだんだんその漢字が文字に見えなくなってくるのと似ている
(←意味不明?(^_^;))。
「そのレの音はね〜、確かにある意味難しいんですよね(^_^;)。下のほうまで全部押さえて、
尚且つオクターブキーを押して、アンブシュアも多少噛み気味にして息を多く吹きながらも
高い音をださないといけない訳で・・・・。簡単にやってるようで結構技術いるんですよ。
今まではあまりなにも考えず吹い吹けてたかと思いますけど、一旦どこかでひっかかると
その大変さがわかってますますハマるんですよね〜・・・・・・」 はまってま〜す(。・_・。)ノ
「じゃ、もう一度最初から吹いてみてください。僕ピアノ弾きながら口元みてますから。」
(≧∇≦)〃キャー  恥ずかしいっ!って言ってる場合ぢゃない。うぐ。
「う〜ん、ちょっと噛みすぎかな?もうちょっと余裕あってもいいかも。ま、練習してきてください!」
結局そこなのよね・・・・わかっちゃいるんだけど・・・。誰もが通る道だと思って、私、頑張る!(T-T)

■2002年8月18日■

昨日まで軽井沢に行っていた。

今回はあるジャズライブを聴くための訪問だったのだが、行ってみるとまぁ〜これがっ!
演奏者もお客もおじさまおばさまばかりで、 この私が一番若いような集まり(^_^;)←いかにすごいか・・・。
よって演奏曲目もいわゆる定番のスイングジャズがメイン。
まぁ全くわからんようなオリジナル曲を延々と やられるよりはよいのだが・・・
などとちょっとタカビーな気持ちでドリンクなど飲みながら聴いていたら
「では、次は『いそしぎ』・・・」というではないのっ!?( ̄□ ̄;)!!
そして始まった、あの曲がぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
瞬時に私の血圧が上がり、胃がキュンと締め付けられ、酔いが一気に醒めてしまった。
あの発表会の時の緊張感が鮮やかによみがえってきた訳で・・・・。
まぁ、あちらさんはプロで、しかもサックスじゃなくクラリネットだし、比較するほうが
おこがましい、というものだが、どうしたってやっぱり(あ〜あ〜、ああいう風に
演奏すればよかったんだよなあ、あそこは・・・)などといっぱしのミュージシャンのごとく
大反省大会が始まってしまったのである。嗚呼。

途中で素人のサックスプレーヤーの人が特別参加した。
素人といってもかなりの腕前だが、あれくらいの人は世の中にたくさんいる。
でも、緊張しながらもすっごく嬉しそうに吹いていた。そう、音を楽しんでいるのである。
そりゃそうだ、あんなに立派なプロのミュージシャンと一緒に演奏できれば、
いい冥土の土産になるってもんよ!
発表会で私に一番欠けていたもの、それはそういう「音を楽しむ」気持ちだったのよね〜。
あの時の私は、まさにこの素人サックスプレーヤーさんと同じ立場。
バックは全部先生方で、アマチュアは私だけ。
私を盛り上げようとしてくれてるのに、私はひとり大暴走(爆)。
楽しむ余裕なんかゼロだった(ノ_・。)。
あ〜、早くもう一度ステージにあがって「敗者復活戦」をしたいよう!

「さて、今日はどうしましょう?半音階やってみます?( ̄ー ̄)ニヤリッ」
先生が嬉しそうに聞いてきた。
「あ・・・・・。真剣に半音階練習したんですよ、家で。で、どうにかスムーズに
ふけるようになったんですが下のド♯のとこがどうもひっかかって・・・・・・」
「そこは仕方がないですね〜。曲にもよりますが、実際あまりその音は吹く機会ないと
思いますので、うまくだせないからといってそんなに凹むことないですよ。」
「結局<練習>、結局<慣れ>ってことですよね(-_-;)」
「う〜ん、そういっちゃったら僕が教えるべきことなくなっちゃうんだけど・・・・(・_・;)。
ただ半音階が上手くふけるからって絶対演奏が上手くなる、という訳でもありませんし。
半音階で押さえられるようになっても、突然その音をだせ、って
言われてだせない人も結構いますよ。要は、耳で聞いた音を♪で考える前に指で押さえて
同じ音をだせるって いう訓練をしたほうがいいと、僕は思ってます。
この音だとこの指の形、っていう感じで 自然に運指ができれば・・・。
あまり頭で考えちゃったり、やみくもに指だけ訓練しちゃうと応用が利かなくなって、
結局後々アドリブとかにいい影響がでないんですよね。
とにかく、いろんなフレーズを吹いて、どんな音階やメロでもすぐに音がだせるようにしましょうね♪」
う〜ん、納得♪

「じゃあ今日は『HERE THERE AND EVERYWHERE』からいきましょうか♪」
そう、私はとりあえず3曲とも一応おさらいしてきたのだ。でもどれも中途半端(・_・;)。
「あっ!歌詞が書いてある!!」
先生にするどく見つけられてしまった。そう私の楽譜には歌詞が書かれているのだ。
自分で書きました・・・・
「なんで歌詞かいたの??」
「あ・・・・あのですね・・・実はこの曲あんまり知らなくって、知らない曲だとメロ覚えるのに
時間がかかって、そうすると上手く吹けないでイライラしちゃうので、まずメロを頭にたたき付けようと。
でもあんまり覚えやすいメロじゃなかったんですが、歌詞がすごくいい内容だったので、
歌で覚えちゃえば早いかなぁ〜なんて・・・(*^_^*)」
「ほ〜、それはなかなかいいアイデアですね」
「でも、文字が小さく書きすぎちゃったので、結局見えないんですよね〜・・・・σ(^◇^;)」
「・・・・ダメじゃん!(爆)」

でも、歌詞を書き込むために何度も何度もCDを聴いたお陰でメロが頭に入ったのは確か。
やっぱりいいことしてるじゃん、私(自画自賛)。
で、最初はAメロ、Bメロと区切って吹かされたが、結局ほぼ頭に入ってることが
先生にもわかったらしく、 すぐに通して吹く練習になった。
「さてここで問題です!この曲のコードは?何調?」
「ええと・・・♯がひとつだからト長調!(自信ありげ)」
「じゃあなんでト長調だってわかったんですか?(-_☆)キラーン 
ファに♯がつくのはト長調だけじゃないですよ。」
「うぐ・・・・。ええっとぉ・・・(楽譜を凝視)( ゚o゚)ハッ  最後の音がソだから!」
「ピンポーン♪ じゃあ〜・・・」
その後、先生の音楽理論の授業は続いたのだった。
こういう内容もちゃんと教えてくれるので助かる。正直、小さい頃にピアノを習っていたとしても
細かいことは結構 忘れていたりするし。
私の思いも寄らない質問にもめげず(笑)、先生はいろんな方法で理解させようとしてくれる。
特にテキストがあるわけではないので、こっちも必死でその場で覚えなくちゃいけないのが
まあしんどいといえば しんどいのだが(;^_^A アセアセ
(ま、またわかんなかったらメールで質問すればいいや・・・)
他人の記憶を自分のメモリ代わりにする癖は当分治らないな、こりゃ・・・・σ(^◇^;)

「でさぁ〜、なんでここで走るのかなあ??(^_^;) 
伴奏しててあれあれ??ってこっちまで焦っちゃった!」
途中で私の演奏がめちゃ走ってテンポが乱れるらしい。
そう、得意なフレーズはマッハな速さになるのだ〜(^。^/)ウフッ
すみません、練習してきまっす・・・・・・・(-_-;)

■2002年8月11日■

8日にあるはずだったレッスンが、スクールの受付リフォーム工事のために今日に延期になった。
最近仕事の後に一度帰宅して、更にレッスンに行くのが体力的にしんどかったので、
日曜日の夕方というのは かなりありがたい。
予定さえ入っていなければ午前中に練習した後余裕でいけるしなぁ〜(きっとしないけど(笑))。
これからも日曜日にしてもらおうかなぁ??

「じゃあ今日は半音階の練習から!」
ぐえ・・・・とうとうきたか・・・・・(ーー;)
サックスプレーヤーの人がステージの前の音だしする際に全音階じゃなく半音階で
ピャラピャラーって音だし してたのはカッコイイとは常々思っておりました。
私の目の前でもよく先生がやっていて、そのうち
(オメーサンもこれぐらいできるようなってくれよ・・・)と無言のプレッシャーを
かけられてるような気がして、
いつかはこれをやらされる日がくるんだろうなぁ、と 思ってはいたのだけど。ううむ。
「とりあえず上のド♯から下のドまで下がってみてください。僕のピアノに合わせて。ワン・ツー・・・」
ちょこっとずつつっかえながらもユックリであればどうにかいけた。
「ピアノの鍵盤を頭に想像しながらやってみてくださいね〜。
昔ピアノをやってた人にはその方がいいかもしれませんから。ピアノの鍵盤で考えていけば
次に黒鍵押すのはどの音か、って大体想像つくんじゃないですか?」
い、いや、実は最初っから鍵盤頭に浮かびまくりなんですけどσ(^◇^;)
でもピアノの鍵盤とサックスの運指はやっぱりちゃいまっせ〜(泣)
「次は二オクターブ分!」
おっと・・・・!頭のなかは集中しまくり。
目線が宙を見つめての必死の形相が目の前の鏡に映ってる。
怪しい・・・・・(ーー;)
「あ、真ん中のド、全部押さえてオクターブキー押してたでしょ?( ̄ー ̄)ニヤリッ 
まあその出し方もあるんだけどなるべくそれはメロの関係ですばやくださなくちゃいけないから
どうしても・・・って時だけにしましょうね♪」
へっ?!なになに???私なんかやりました??  あ、ああ・・・・・・・( ̄□ ̄;)!!
あまりにも半音階だすのに集中しすぎて、まんなかのドを出す際に、
左手の中指だけでだすドではなく、
低音のドをだすのと 同じ全部を押さえる方法にオクターブキーを使う、という方法を
<気づかないうちに>使っていたのだった。
それが先生には<ワザと>に見えたらしいσ(^◇^;) ち、違うのよ、先生・・・・・。
ドの♯からドに下がる際になんにも考えずそのまま右手の小指を押しちゃって
音がでちゃったから気づかなかっただけ なんだけど・・・(・_・、)
言い訳する間もなく「はい、じゃあもう一回♪ちゃ〜んとわかるから
今度は誤魔化さないようにね♪」と 言われてしまった。とほほ。

半音階の練習の後、『追憶』へ。
「どこまでやりましたっけ?」
「最後まで一応・・」
「おっ!自信ありありですねえ〜( ̄ー ̄)ニヤリッ」
「い、いや、そういう意味ではなくて・・・(アタフタ)。じゃ、じゃあ、最初のほうだけチョロッと・・・」
「あはは(笑)。じゃあとりあえず最初から最後まで譜面どおりに吹いてみましょうか?」
焦りながらもどうにか最後まで吹く。上のレの音が割れる。
「なんかレの音が自信ないというか・・・・・。下のシ♭、上のレを交互に吹いてみてください。」
シ♭、レ、シ♭レ、シ♭、レ、シ♭レ、・・・・・・。
「う〜ん、やっぱりまだ上のレを出すときに緊張してるっていうか・・・。
思い切り力入っちゃってる感じなので(^。^;)、
アンブシュアその瞬間不安定になってるし、その前後の音が出しにくいんですよね。
お陰で急にその近辺だけ音が小さくなってるし。 多少遅れてもいいですから、
タンギングで音切ってしっかり出してくださいね」
た、タンギング???( ̄□ ̄;)!!

そういえば、この曲は同じ音が八分音符でずーっと繋がる箇所があり、その時はさすがに
タンギングしないと音が 出し辛いので タンギングしてるのだけど、こんなに音が短くて
しかも上下するところでタンギングとは・・・ど、どうすりゃええねん・・・・・・?(汗)
「ええっと、軽く下でリードの震えを押さえる感じ程度でいいですよ、ここでは(^-^)。」
ここでは、いうたって・・・・(ーー;)。プッ、プッ、プッとやってみるも、なかなか上手くいかない。
こりゃ基礎練習のやり直しだわさ。
「まあ、これも慣れっていうか練習すればすぐできますから♪音出しにくいときはこういう
タンギングで一旦音を切ってしまって新たにアンブシュアと運指を組みなおす、
という発想でやってみるのも手なんですよ。
多少のメロの遅れはアレンジって言い切ってしまえばいいんです(爆)。
でも相当自信もって言わないとバンドの場合は他のメンバーに怪しまれすよぉ〜( ̄m ̄*)プッ」
あはは、そういうワザもありってか。まあとりあえずまだバンドじゃないし(笑)、
基本ができてないといかんわね。
半音階とタンギングが次週までの宿題だわっ。

「あとは、コーダ以降。あそこは一番サビの部分ですから、もうオペラ歌手が
『♪私は歌が上手いのよぉ〜♪』って自慢げに 声を張って歌ってるでしょ?(爆)あんなかんじで・・・」
先生、いい例えだけど、本当にオペラ歌手のように歌ってくださらなくても・・・・・
そして自分で受けないように・・・(爆)
「で、最後はまたメロウなかんじでユックリ、小さめに・・・・。
実は今、ボクのピアノの伴奏中に遊んでたのわかりました?」
うん、今日はわかった♪半音階の時は必死で他の様子がわからなかったけど、
今のはわかったぞ!ヾ(@⌒▽⌒@)ノ
「じゃあ余裕がでてきましたね♪あとはもっと感情移入してふければもっともっとよくなりますよ。
しばらくした後でいつかまたこの曲を吹いてみると、その時は今とはまた違った感じで吹けるように
なると思いますよ(^_^)」
ううっ、楽譜通りにしかふけてないってことね、先生・・・・・。
芸の肥やしになるようなことせなあかんってか(爆)。

「じゃあ来週はこの曲。あ、これもやりたいっていつも思うんだけど僕の伴奏が・・・」
「やりましょう!(キッパリ!)」
「は、はい・・・・(ーー;)。じゃあついでにこの曲も。多分サビ聞けば知ってると思うよ」
先生がざーっとお手本で吹いてくださった宿題の三曲はこれ。
『HERE THERE AND EVERYWHERE』『SAVING ALL MY LOVE FOR YOU』『TOCCATA』
1曲目はご存知ビートルズ。二曲目もご存知ホイットニー・ヒューストン。
3曲目はポールモーリア楽団だって(笑)。
またもやどこかのCMで聞いたことあるような曲ばかりでございます♪
でもそれを口にだすと、先生には「え?そうでした?」といわれ、世代の差をまじまじと
感じてしまうことに
なるので 我慢しときました。いいんだもーん・・・・・・(いじいじ)

■2002年8月1日■

暑い。めちゃ暑い(;^_^A アセアセ。
この時期、渋谷は若者達の熱気も加わって本当に地獄のようになる。
一度帰宅してからレッスンにいくようになってからはかなりカジュアルな格好になってるのだが、
こんなに暑いともうおしゃれとかどうのこうのなんて言ってはおれん!!
近所のコンビニにウーロン茶でも買いにいくようなTシャツ、ダボパン、素足サンダル、ってな格好に
サックスを肩からさげ、反対側の肩に下げた手提げに楽譜ファイル、リード、マッピ等をいれ
ダッラーーーーーーーーと夜道を歩く私は端からみたらまさにアブナイ奴σ(^◇^;)
ご近所の方申し訳ない・・・・犯罪者じゃないから通報しないでね・・・・・・

「先生〜、暑いぃ〜、どうにかして〜っ(;^_^A アセアセ」
私の我慢は限界を超えていた。汗が暑さでひかないので、スタジオの冷房を最強にし、
扇子でバタバタと顔を仰ぎ、音だしもせずに椅子にドカンと座ったままだった。
「寒っ!(^。^;)」
「先生はずっと涼しい中にいたんだろうけど、こっちは暑い中サックス背負って来たんだからね〜!」
全くもって嫌な生徒である。オバハン生徒を持ってしまったことを後悔してるに違いない。
「あはは(汗)、暑いですよね〜。最強ですか、ハイ・・・・」
私の暑さが収まるまで世間話で時間をつなぐ先生。ごめんなさいねえ、オバハンでσ(^◇^;)
「で、腱鞘炎はその後大丈夫ですか?」
「う〜ん、とりあえず大分よくなってきましたね〜。普段生活してる分には怪我のこと忘れてる事
多くなってきましたから♪
仕事続いてると ちょっと痛みますけど、サックスの練習では大丈夫。
痛くなるときは姿勢が悪いってこともあるし。」
「そうですか、ちょっと安心しましたね。でもまあ無理は禁物ですから、大事にしてくださいね。
では、始めましょうか♪」

「ええっと、どこまでやりましたっけ?(^_^;)」
お忙し氏のこの先生は時々レッスンの進み具合がすっ飛んでしまうことがよくある。
去年のグループレッスンでもよくこういうことがあったぞ。
「・・・・。(←呆れている)ええっと、『白鳥』は最後まで行って、次のレッスンがあって
ケツかっちんになったので 最後に先生が『追憶』を
チャチャっと吹いてくださって終わりました・・・・・( ・_・)ジッ」
「あ、そ、そうだったっけ?(^_^;) じゃあもう『白鳥』はいいよね!じゃあ『追憶』やりましょうっ!」
え”っ?もう『白鳥』やんないのお?練習してきたんだけど・・・。ま、いいか・・・。
「この楽譜はちょっと複雑ですね。そろそろこういうのもぱっと見ただけでわかってくるように・・・・」
先生、あたしゃピアノ習ってたんだから、わかってるんだってば!
「Aメロ→1カッコで、もう一度Aメロに戻って2カッコ、そのままBメロに入ってダルセーニョからセーニョ、
再びAメロに戻って コーダからtoコーダ、で、終わり。いいですか?じゃあまずAメロから!」
何度も練習してるもん、全部吹けるのですわ♪
「じゃあ次B。結構いけますね〜(^-^)」

「先生、シ♭の運指はどっちがいいんでしょうか、この場合?」
私は迷っていた。クラシック出身の先生だとラ♯のほうの運指を<正>として、
左手人差し指で二つを押さえるシのほうは替指とするらしいのだが、うちの師匠は逆で、
メロの流れで余程辛いとき以外と楽譜上ラ♯の時以外は
左手人差し指君大活躍のシ♭のほうを日常的に使うことを薦めてくる。
「まあその人によって使いやすい方でいいんですけどね♪
トリルとかの時はラ♯の方が便利だし。
究極はいつでも どちらでも使える!って奴ですね(^_-)-☆」
そうよね、結局そういうことよね・・・・・・・・・・。

まぁそれにしても、何度演奏してもやっぱり昔のCMが頭に浮かんできちゃうのだわσ(^◇^;)

■2002年7月25日■

<頑張って練習してきまーす!!>と前回書いていたにも関わらず、レッスンの翌日から
なんと4連ちゃんで 飲み会だった私σ(^◇^;)。
翌日金曜日は先生も含めた、去年までのグループレッスン仲間との楽しい会だったのだけど(笑)。
サックスにはこういう交流も必要よね〜♪

そんなこんなで大した練習もできずにレッスンへ(;^_^A アセアセ。
とりあえず時間だけは早めに行こう、といつもより早めにスクールに行くが先生の姿はそこには無し。
「あ、すみませーん。まだ前のレッスンみたいなんですよ〜(^_^;)」
受付にいたボーカル科の先生が済まなそうにおっしゃる。
「しょうがないですねぇ。じゃ、ここで待ってますから♪」
受付前の椅子に座って待つことにした。どうせそんなに長くはならないだろう。
ふとその椅子の隣のテーブルを見ると・・・・・。
うげっ!!発表会の時の写真じゃん!!先生を始め、あの場にいた人がみんな写っている。
なかには演奏中のものも・・・。私の後にやった子のサックス姿がそこに・・・。
と、ということは・・・・・・・・・・・・・・・( ̄□ ̄;)!!
恐ろしくて次のテーブルを見る気になれないっ!!
さりげなく受付にいる方々と笑顔で世間話などしながら、必死で自分の目の前のテーブルに
自分の姿がないことを確認した(爆)。演奏中の写真なんて・・・・きっとパニくって恐ろしいことに
なってるんだろうなぁ・・・。いや、恐ろしすぎて現像さえされてないかも・・・・・・・。

「遅くなっちゃってすみません!ところで腱鞘炎はその後どうです?」
結局15分遅れでレッスンは始まった。
「う〜ん、もう湿布しないで大丈夫なんですけど、やっぱり仕事で朝からずっとPC打ってると
夕方4時ごろには痛んできますね〜(^_^;) サックス練習した後もちょと痛いかな?でもまあ
無理しなければ大丈夫だと思います」
「腱鞘炎じゃなくても、ずっと練習し続けてると当然手は痛くなりますからね!手首伸ばしたり
曲げたり、あと指の又のあたりのツボをマッサージしたりしてみて。あ、これもやりすぎると
逆効果なんですけどね。ツボって時々ふっと気が遠くなるほどハマるのがありますからねえ(爆)」
確かに・・・・。足ツボマッサージとか、痛いけどめっちゃ気持ちよくて気を失いそうになることも。
運動同様サックスの前後もマッサージして体を慣らしておかなくっちゃ♪

「ええっと、じゃあ音だしはこのくらいにして、『白鳥』ですよね?とりあえずAメロ、
さらっと吹いて みましょうか?」
先生のピアノに合わせて吹いてみる。知ってる曲だからとりあえずどうにかなる。
「ええっと、この曲もまた、音の上下が激しい曲なんですけど、高音から低音に下がる際に
ボーっとただ強く吹くだけではなく、ぎりぎりまでのばして瞬間ちょっとだけブレスを入れて、
改めて低音を吹く、ってかんじにするといいかも。今みたいに全部繋げて吹こうとすると、
低音部に下がるときにギューンってヘンな抑揚がついちゃってかっこ悪いでしょ?
一音一音大事に吹くのはいいんだけど、この3音目に下がるのはキーポイントになるので
いい加減ではなく、メリハリつけたほうがいいんですよ。当然ブチブチ切っちゃうのはもってのほか
なんですけど、繋げすぎてもだめ。低音部に下がる直前、聞いてる人にはわからない程度で
一瞬切ってアンブシュアを替える。そうすると、今みたいに不安になりながら変な音をだすような
ことが少なくなりますよ。」
確かに、高音が2音続いたあとに、いきなりオクターブ下あたりの低い音をだそうとすると
アンブシュアがうまく動かせずにフラジオしてしまったり、不安になって小さな音しかでなかったり、
またはそれを治そうとして逆にその低音だけバビューンとでっかい音になってしまったり・・・。
それを改善するには、先生の言う通りにするとうまくいく。だが、これは私にとってはかなりの
高等技術(^_^;)。何度かやって1回成功するかんじ。打率をあげるために練習しなくちゃだな。

とりあえず最後まで吹いて、都度細かいチェックを受けた。
どうしても下の音に移行した際にドーンとでっかい音になってしまうことが、先生には気になって
しょうがないようだ。
「う〜ん、緊張してるかんじですね、まだ(笑)。もっと気楽に吹けばできると思うんですけどね」
あの発表会よりは緊張しないようになった気がするけど、やっぱり新しい曲になるとその都度
アガリますぜ、やはり。しかもよくよく知ってる曲だけに、イメージ通りにふけなくてちょっとイラつき、
ますます余裕がなくなってしまうのだった。
楽器の練習っていうより、精神修行が必要なのかも(:_;)

そこへスクールオーナーIさん登場。
「あのさ〜、ここ、いつ終わる??」
そう、私達が使ってるスタジオはキーボード付。過去にずっと使っていた窓側の部屋はキーボード
がなく、先生が伴奏できないので困っていたのだが、やっと最近隣のBスタジオが使えるように
なったので発表会前から使用していたのだけど・・・・。
スタート時間が遅くなってしまっていたのに、次のレッスンがここで行われるらしい。
「あ、じゃああと5分で終わりますから・・・」
ちょ、ちょっと!!ケツカッチンかいっ(怒)
「すみません・・・・・。もっとゆっくりレッスンしたいんですけどねぇ・・・(;^_^A アセアセ」
今日の先生は謝ってばかりだ(笑)。しゃーない、ここは大人の私が被害を請け負ってあげるか。
「じゃあ、次週は『追憶』のほうも練習してきてくださいね。こんな感じの曲ですから・・・」
先生は焦って『追憶』のメロをちゃちゃっと吹いてくれた。
私達の世代は、コーヒーかマ○ームか、なんかのCMでみんな知ってますわ、その曲。
またスローな曲ざんすね。ゆっくりな曲はボロがでるから練習きっちりやらないとだわ。
「そうそう、言い忘れましたけど、『白鳥』はGメジャーですけど、ファ♯をこう押さえる方法も
ありますので、もし余裕がでてきたら練習してみてくださいね。あ、これはあくまでもそういう
方法もある、ということで、ボクは絶対にこのパターンでは使いませんけど(爆)」
ヘ(__ヘ)☆\(^^;)おいおいっ!じゃあどんなときに使うんじゃいっ!?
「トリル用ですね、主に。あと、まあメロによっては使う場合もありますは・・・。あ、それから
高いドの運指の裏技もこんなのが。左手はシで、右手はその真ん中・・・。そうそう。
これもトリル用が主です。ほんと、曲によってこっち使ったほうが楽な場合もありますので
そういうのもどんどん研究して、自分でとりいれていきましょう♪」
そっか・・・・φ(.. )メモメモ
しっかし、このドはやりづらいなあ〜(^。^;) 
3つ並んでるうちの上下端っこはすでに一番高いミやら
ラ♯で慣れてるけど、もしかしてこの真ん中のキーは初めてだわっ 
あまりにも押さえられないので最後には先生が「ここですって!」と私の薬指をムンズと
掴んで押さえつけてくれましたっけ(^。^;)
手のかかる生徒で本当にスンマソーン・・・m(__)mペコ

おっと、またI先生がきたっ!では、本日のレッスンはここで終了〜♪
ありがとうございましたぁ〜!(*^_^*)

■2002年7月18日■ 

発表会を無事(?)に終え、数日が経った。

楽しかった会ではあったが、私のなかに明らかに何かを残した。
腱鞘炎を完治させる目的もあって、会の後私はあえてサックスに触れることはしなかった。
なんだか自分でもよくわからないのだけど、なにかをリセットしたいような気分・・・・・
(ただ単にあのボロボロの演奏を忘れたいだけ、という噂も・・・・)

「いや〜、土曜日はお疲れ様でした♪。手はその後大丈夫?」
相変わらずのにこにこ笑顔で先生は迎えてくださった。
「先生、ひとつ聞いていい?あの順番、あれって最初っから決まってました?」
「えっ?あ、ああ、あのこと?ううん、ボクも突然言われてあせったよ〜。あれはあのMCやってた
先生の 独断ですよ。」
うぐ、そうなのか。一生懸命ポジティヴ・シンキングして、先生が私の手を気遣って
逆に最初にやらせてしまおう、と考えた結果なのかと思おうとしたりしてたんだけど・・・・・・。
そんなもんよね・・・・・。
「まあ、途中つっかえたり、ヘンな音でたりしてましたけど(グサッ!)、テンポ走ってなかったし、
なかなかよかったと思いますよ。楽しかったでしょ?」
「・・・え、まあ楽しかったことは楽しかったんですけど・・・・」
な〜んか、誤魔化されてるような・・・・・・。ま、いいか、終わったことやし・・・・・・。
とかいいながら、結局15分ほど先生を責めまくった私でした( ̄m ̄*)プッ

「じゃあ今日はなにやろっかな〜」
先生が自分のファイルをあちこちぱらぱらめくって次にやる曲を探す。
「これって去年みんなとやったっけ?あ、やってない?」
見ると、有名なクラシックの曲『白鳥』だ。
「サン=サーンスですよね?」
「おおっ!知ってる?じゃあ、これにしよっ!(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン」
あれれ・・・ロリンズシリーズはもう終わりなんか・・・。くすん。でも確かに、
最近は細かい指導を して欲しい。
発表会ではただ吹くだけで一杯一杯だったから、次回はもっとかっこよく吹くために、
更に上級な指導をしてもらわな困るのだ。
そのためにはこういうクラシックな曲のほうがいいかもしれない。

私が曲を知っている、ということで初見でどんどん進む。
オリジナルはチェロの演奏だ。昔さだまさしの曲が好きだったのだけど、カレの曲のなかにこの曲が
下地になっっているのがあって、それ以来クラシックのなかではTOP5に入るほど
すごく好きな曲なのである。
とりあえず最後まで、多少つっかえながらもどうにか吹けた。スローテンポの三拍子のト長調。
まあ、メロ的にはそんなには難しくない。

「じゃ、とりあえずメロはこれで確認できたと思いますので、次は一音一音丁寧に吹いてみて。
タンギングはしないでいいけど、ただ無表情にボーボーって吹くんじゃなくて、
音に微妙な強弱をつける。」
先生がサンプルとして吹いてくれる。うがーっ、ジャズだけじゃなくクラシックもいけるね、先生(爆)。
「あと、音をなるべくつなげてください。今のままだとブレスの位置が細かすぎるので、
途切れ途切れに聞えちゃうから。そうだな〜、全体的に包み込むような感じでね♪」

♪包み〜こ〜むようにぃ〜♪MISIAの歌が頭の中に響いた。そうか、包容力が必要ってか。
・・・・・・今の私にはそれが一番欠けておるかもしてませんな、音楽的にも、個人的にも・・・・・。
先生のことイヂメテる暇があったら練習せいや、ってことだよね。
でも、先生、伴奏のピアノボロボロだよ。
「ボクは来週までにピアノの練習してきますから(;^_^A アセアセ、
この曲の練習ちゃんとしてきてくださいねっ」
うぃーっす!(^o^)ゞ
どうやら次の発表会はクリスマスみたいだし、その時は今度できるゴスペル科の伴奏も
やるみたいだし(ほんとかよ)、
頑張って練習してきまーす!!e(^。^)g_ファイト!!

■2002年7月13日<発表会♪>■ 

いよいよこの日がやってきた。
ここ数週間、避けて通ってきたこの日が・・・・・・(-_-;)

発表会は夕方18時スタート。その前になにも予定は入っていない(当然いれてない)。
何度か練習し、音だしをし、満足できたところで身支度を整え、
余裕があれば美容院なぞいって
ステージ用に髪などセットしてもらってついでにメイクも・・・・・・・・。

そんなこたぁ夢のまた夢だった。
前日、私は医者を再び訪れていた。

「注射打ちましょう。そのほうが早く治りますよ(^_^)。放っておいてもずっと痛いだけですから。」
「明日、サックスの発表会なんですが・・・・」
「ほう。じゃあ打ちますか。神経の側に打ちますのでしばらく痺れがあると思いますが、
すぐよくなります。」
し、痺れ??!( ̄□ ̄;)!!
でも、なにもしないでこのままいるより、何かをしてどうにかなった方が・・・・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;)
ヘンなところで妙にポジティヴ・シンキングな私であった。

注射は手首を曲げた角にうった。こんなとこに針を刺すなんて・・・。
たまに倒れる人もいるから、とわざわざベッドに横たわらされた(-_-;)。
注射は結構慣れてるんだけど・・・こんなことされたら余計にビビルわん。
注射を打った瞬間、ブチッと大きな音がした。癒着が骨から離れた音らしい。そこが離れない
ままだと、骨折を起こすことになるとか。そう、腱鞘炎は放っておくと骨折になるのだ。怖っ!

痺れは結構長引いて、その日は寝るまでずっと痺れていた。よって練習は不可。
痺れた腕をかばっての仕事で精神的にも肉体的にも疲れていたらしく、翌朝目が覚めたら
すでにお昼近くになっていた(^_^;)。
ちょっと湿布なしで動かしてみるも、心もとない。怖くて動かせない、というのもある。
包帯を巻いているからこそ、勇気をだして動かせていた部分もある。
結局包帯を巻き、練習もできず、渋谷の会場へ向かった。

渋谷駅前、スクールからは徒歩5分くらいの場所にあるレンタルスペース。
近所に音楽系の学校がたくさんあるせいか、ドラム・ピアノがすでに据え置きされている上に
カウンターバーまである。
わが師匠はカウンターのなかですでにバーテンさんと化し、みんなのためにせっせとお酒を
作っていた(笑)。
(先生があの調子なら、私の出番はまだまだだな・・・・)
実際、先生には「手の様子みて、どうやるか決めましょう」と言われていた(7/11分参照のこと)。
まずは手の調子を聞いてくれて、酔いの具合と合わせて相談して決めるだろう・・・。
完璧にそう信じて、まずは呑めないお酒を飲んでホロ酔い加減になっておかねば、と、
普段最初には飲まないビールをぐびっと飲んでいた。空きっ腹にビールはなかなか堪える。
どんどん顔が赤くなっていくのがわかるくらい(*^。^*)。
隣に座った若い子たちと音楽の話で盛り上がっているといよいよ会は始まった。
「それでは、誰からにしましょうか?」MCの人がマイクでこういった。
ヽ(。_゜)ノ ヘッ? 順番決まってるんじゃないの?教室の受付に貼ってあった、あの順番じゃ
ないの?あの順番だから私後半だよね・・・・・・。不安が胸をよぎる。
その瞬間、なぜか一瞬、自分の席の対角線上にいたカウンターのなかの先生と目があった!
(うげっ!ま、まさか〜っ!い、いや、気のせい、気のせい・・・(-_-;))
自分のなかの不安を打ち消して、再び周りの子たちと話を始めた。

と、そこへ誰かがツカツカと近づいてくる!
人間の眼というのは本当にすごいもので、顔は真横を向いてるのに、正面からくる人の様子が
ハッキリわかっちゃったりするのだ。
「ほら、準備して!」その瞬間MCの人が私の名前をよんだ。「じゃ、始めてもらいましょ〜♪」

( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!

「ほら、早く準備する!」近づいてきたのは勿論先生だった。しかも顔は真顔。
ジョークじゃないのね、これ・・・・・。だ、だって、最後のほうだって・・・相談するって・・・・・・。
が、そんな私のパニックに誰も気づこうとせず、バックをつとめてくださる先生方が
おもむろにステージ上で準備を始めてしまった。
うぐぐ、周りはみんな若い子ばかり。この50数名のなかで
上から数えたほうがよいくらい大人な私がいつまでも駄々をこねてみんなの
時間を遅らせるわけにはいかない。
(ちっくしょ〜・・・・・・。だましたわね、先生ってばぁ・・・・・・・・・・・(:_;))
心臓バクバク、冷や汗ダラダラ、手はガクガク。本当に手が震えていた。
腱鞘炎以前の問題である。
さっき飲んだアルコールもどこかへ吹き飛んでしまった。
吐いちゃわないかしら、私・・・・・(ーー;)。

周りの子たちの明るい声援を受けながらステージにどうにかたどり着き、準備を始める。
リードの位置なんてどーでもいい。音だしすらできない。
だって、1メートル先には何十人もの顔・顔・顔!
しかも、今回の生徒のなかで、サックス科は私ともうひとりだけ。
他の人はみんなボーカルかギターなのだ。
サックスなんて、TVか学生時代のブラバンでしかみたことないって人たちばかり。
最初の演奏者である上にその珍しさも重なって、みんな怖いぐらいに静かに
私の動きを見つめている。
(お、お願い・・・・・。私を見ないでぇ〜・・・・・。聴かないでいいからさぁ〜。)

「大丈夫、大丈夫♪いつも通りにね!(^_-)-☆」
先生の声にはっと我に返った私の口からでた言葉はなんとも情けない言葉だった。
「先生〜っ!お願いだから一緒に吹いて〜!(;>_<;)ビェェン」
結局ソロの部分以外は一緒に吹かせた私であった(^0^*オッホホ。
だって一人じゃ寂しいもん!(爆)
いつものレッスンのように先生のフォローがありながらふけたお陰で、どうにかソロの部分もテンパって
数箇所フラジオしてしまった以外はどうにかテンポも先走ることなく無事に終わった。
ギターにベースにグランドピアノにコンボ、おまけに先生のサックスを従えての演奏。
ゴージャズなんだけどね(^_^;)
みなさんすごい拍手をしてくれてたようだったが、オバサンのように散々お辞儀をすると、
逃げるようにステージから立ち去った。はぁ、やっちまったぁ・・・・・・。
「あ、そうだ、手、大丈夫だった?」演奏を終えた私に心配そうに先生が声をかけた。
・・・・・・・おせーよ・・・・・・・・・・・(ーー;)

でも、本当のところ、ステージで吹いてる間、ちょっと気持ちよかった♪
勿論失敗もたくさんあったし、今まで先生に細かく指導されたことなんてスッカラカンに忘れて
演奏してたけど、正直なんか楽しかったのだ。
昔、高校生の時代にバンドをやっていたあの頃を、演奏しながらふと思い出していた。
みんなで練習して、ライトを浴びながらお客さんの前で演奏する。
楽器をやる醍醐味ってこれなのよね。一人で家で練習ばかりしてたって意味はない。
今回最初に演奏したことで迷う間もなくフッキレタ気がした。
次回があるのかわからないけど、今度はもっとエンジョイしたいな。
そしてもっと<ちゃんとした演奏>をひとりでやり遂げたい。
こんな気持ちになるなんて、自分でもビックリ。
そのためには、次回はもっと練習期間ちょうだいね、先生!3週間じゃだめだよん!(-_☆)キラーン

■2002年7月11日■ 

人生とはこういうものだ。特に私という人間の人生において。

発表会を明後日に控え、私の右手首には試合前のボクサーの如きすごい包帯が
ぐるぐる巻きに巻かれていた。
私の友達が勘違いしたように、これが左であればまさになにか思いつめてヤッチマッたのかと
見まごうほどのすごい巻き方である。

「腱鞘炎ですね。放っておくと、骨折れますよ。」

ドクターが笑顔で言い放った診断結果がこれだった。
このサイトでこう書くと、「ほ〜、発表会のために腱鞘炎になるほど練習したのね〜」と
思われがちであるが実際はそうではない(キッパリ)。

(サックスの練習を多少必死でやった影響はなきにしもあらずだが)。
私の仕事はいわゆるデスクワーク、しかもPCに向かってひたすら打ち込む系が昔っから多いので
いわゆる『職業病』である。いつかはなる、そう覚悟はできていた。
数週間前に、起きしな突然右肩に激痛が走り、次いで首の右側も。
それはほぼ一週間で自然に治まったのだが、次は手首にきたのだ。箸を持っても、
二つ折携帯電話を開くのも痛い。シャンプーのプッシュキャップを押すのも痛い、と判明した時点で
とうとう医者に行くことを決意。
ネットで探しまくってわざわざ電車にのって行った挙句の果ての診察結果が上記である。

さて、腱鞘炎となると、とにかく安静が一番である。
注射を打てば治りは早いらしいが、プロでもないし、そこまでやらんでも・・・σ(^◇^;)
たかだか発表会である。いざとなったらキャンセルだってできる。
私は注射を断り、湿布薬をいただいて帰ることにした。
そしてその結果、この包帯グルグル姿なのである。

「こんにちは〜!」
いつも事細かに先生にメール等で報告していた私であったが、今回のこの件はちょっと脅かそうと
レッスン当日まで秘密にしていた。
スクールに到着すると、まだ前のレッスンが押していたようで先生はいない。
仕方がなく受付の掲示板の張り紙をしばらく眺めていると、やがてドヤドヤと階下のスタジオから
レッスンを終えた団体が階段を上がってきた。

「うげっ!!な、なんじゃ、そりゃ??( ̄□ ̄;)!!」

どこかで聴いた声が叫び声となって背後からした。
「あ、こんばんは(^-^)ニコ」
「こんばんは、じゃないっすよぉ・・・。ど、どうしたんすか、それ??(・_・;)」
「あ、ああ、これ??ふっふっふっ、ケン・ショーエンです!ってかんじ??( ̄ー ̄)ニヤリッ」
「うっそ・・・・・・・・・。」
先生はかなり顔面蒼白である。ちょっと脅かしすぎたかな?でも事実だもの。嘘じゃない。
「発表会・・・どうします?痛いですか?」
「う〜ん、どうしましょう???動かさなくてもちょっと痛いんですよねえ・・・。」
「っていうか、今日のレッスン、どうします??大丈夫ですか??」
なんか脅かしすぎたか。ちょっと申し訳なくなってきてしまった。
「いや、レッスンは大丈夫だと思いますよ。昨日ちょっとやってみたけど。ただ低い音出すとき
痛いんですけど・・・」
「わかりました。ちょっとだけやってみましょう。痛かったらすぐにやめることにして。様子みないとね」
先生は意を決したようだった。
「・・・っていうかさ〜、それ、わざとなんじゃないのぉ???(-_☆)キラーン」
スクールオーナーのI氏が鋭い突っ込みを入れてくる。
「ち、違いますよぉ〜・・・・・。し、職業病ですから・・・・。もう嫌ですねえ、人聞きの悪い・・。」
なぜか焦る私。お腹のなか、丸見えだったかしら(爆)。

スタジオに入って音だしをしていると先生がやってきた。
「それって・・・サックスのせいですかねえ・・・」
そういわれるとそうだとは言えないじゃないの。
「いえ、違いますよ。職業病ですよ。ただ、今回の急な発表会のための練習で少しばかり
気合入れすぎたのがきっかけになってるかもしれませんが・・・・」つくづく嫌味な女である。
「でも、どうしましょうかねえ。やめときます?」
そういわれると嫌だとはいえないじゃないの。

「じゃあとりあえず様子みてみましょう。じゃあ、まず順番に、ゆっくりでいいですから音だしてみて。」
真ん中のドから下に下がる。やはり一番したのレやドが辛い。かなり痛い。
「やっぱりそのあたりですよね・・・・。じゃあ上にあがって・・・・。」
上のほうは大丈夫である。が、本体を押さえている右手の親指が辛い。
その旨を先生に告げると、立って演奏する場合の姿勢について、改めて説明をしてくれた。
「とにかく、もっともっと力抜いていいですから・・・。ぐわっと掴んでてもいい音はでませんよ。」
「わかってるんですけどねぇ・・(・_・、)。一生懸命吹こうとするとどうしても・・・」
「気持ちはわかりますが、ブレスの都度、力を抜くことを意識してみてください。あと、左手だけで
吹く練習もしてみてください。ちょうど右手が使えないのですから、いい機会かも♪
正しい姿勢でちゃんとサックスが正しい位置にないと、片手だとアンブシュアが
ずれちゃいますからねー。
この曲を演奏してる間にもチャンスがあれば右手を下に下ろしてブラブラっとさせてみてください。
それができれば全身力抜けてる証拠ですから。つかってないの手が離せないとしたら、
余計な力が 全身に入ってるってことですよ!じゃあそのあたりを意識して吹いてみましょうか?」
先生の演奏を見たあと、自分もやってみる。
先生はあんなにブラーっと右手を振り回したりする余裕が
あったのに、私はガッチリ掴みまくりである。親の敵のように。あほか・・・・。
気持ち離そうとはしてるのが先生にはどうにか伝わったらしく、
「まあこれも慣れですから(^_^)。曲覚えて次になんの音を
だすのかが 頭に入ってればできる技でもありますしね。」

そんなことをいくつかやってみた。
生来真面目な私は(爆)ついつい先生の熱心な教えに答えようと、腱鞘炎であることを忘れて
かなり頑張ってしまったようだ。
「まあ様子みるに、どうにかいけそうですね。前から言ってますが、発表会といっても
要はただの飲み会ですよ(^_-)-☆。
お酒一杯飲んで酔っ払ってしまえば結構うまくいくかもしれないし、みんな人の演奏なんて
聴いてないかもしれないし。大丈夫、大丈夫♪最悪当日キャンセルしても、
演奏短くしちゃっても 構いませんから(o゚▽゚)oニパッ」
・・・・・なんとなく、乗せられてしまって、先生の思惑にハマってしまってるような気がするのは
気のせいかしら・・・
ま、いいか・・・・・ドタキャンすればいいんだよね・・・・・いざとなったら・・・・・・
明日病院いってもう一回ドクターと相談してこよっと。

■2002年7月4日■ 

いよいよ7月。
発表会まであと二回のレッスン。本当にやるのかしら・・・と不安は募るばかり。
とりあえずひたすら練習に励む。アフター5の予定もいれず、買い物にもいかず(笑)、
家にいる空いてる時間は練習にあてた。
当然それだけ練習すれば自然に暗譜してしまっている。
(これならどうにかなるかな・・・・・)
私のそういう甘い考えは、レッスンに行って見事にぶち壊されることを
その時の私は知る由もなかった・・・・。

レッスンにいくと、いつもと違うスタジオを指示される。ピアノがある部屋だ。
そう、もう発表会に向けて本格的に練習しないといけない。なにしろあと二週間しかないのだ。
先生がくるまでの間音だしをしていると、妙に音が響くことに気づく。
練習のせいかしら??( ̄ー ̄)ニヤリッ・・・とも一瞬思ったけど、
それにしては響きすぎる(;^_^A アセアセ
「先生、なんかすっごい今日音響くんですけど・・・・・(^。^;)」
「うん、確かに・・・・。多分ね〜、今までのスタジオ、端っこで窓側だったでしょ?
で、ここは完璧 カラオケボックス状態の壁で囲まれてるじゃないですか?
だから音の反響が違うと思うんですよね〜」
にゃ〜るほど!確かに、今までのスタジオとはつくりが違う!音が響くとちょっと上手く聞える。
お風呂入りながら歌う歌のように♪

「じゃあ、いつものように、ソの音から下のシまで下がって、そこから上にあがって
一番上のファまで・・」
めっちゃ上手く聞えるスタジオで気持ちよく音をだす。カ・イ・カ・ン!(薬師丸風)
「じゃ、サックスもあったまってきたところで早速いきますか!?(o゚▽゚)oニパッ」
え”っ?!も、もう曲いっちゃうの??
「はい、時間ありませんから(キッパリ)!」
たじろぐ暇もなく、『いそしぎ』の練習スタート。
「上の音と下の音、つなげて吹かないで、直前でタンギングしてメリハリつけてみてください。
 特に下の音はコードの変化を表すキーポイントになるので、思いっきり目立つように吹いちゃって
 いいですから♪」
そんなもんですか〜。確かに楽譜上ではスラーで繋がってるので息が続く限り(爆)
続けて吹きたく なるところだが、そうするとあまりメリハリはつかない。
あえてタンギングして音を切って、次の音から吹き始めると音のメリハリもつくし、
その最初の音が 微妙に強調されるので、コードの変化は目立ってくる。

そんな練習を何度かくりかえしていると、他の先生がスタジオのドアをドンドンたたいた。
「そっち終わったら、隣でリハーサルするからヨロシク!」
リ、リハーサルゥウウウウウウウウ〜〜〜???

はい、リハーサルやんないと。だってピアノとギターとコンボをバックに従えるんですから
( ̄ー ̄)ニヤリッ」
ま、まじかいや・・・・・。それ、冗談だと思ってたのに・・・・・(・_・、)
「大丈夫です、みんな一応プロですから。」
いや先生、そういうことじゃなくってぇ・・・

1時間ほど先生とのレッスンをして、いよいよリハーサルへ(;^_^A アセアセ。
先生方がぞろぞろとスタジオに入ってくる。いつもより何倍も大きいスタジオ。
大きいキーボードにアンプ。数本のマイク。ギターにコンボ。目の前の楽譜立て。そして私!
みんな座って演奏するのに私だけひとり立ってる。なんかエラソー・・・・・σ(^◇^;)

私以外の先生方で、あーでもないこーでもないとアレンジについて議論が始まった。
側で聞いてても、自分のことなのにちんぷんかんぷん。黙って棒立ちのままほけーっと聴いている。
(なんかミュージシャンみたい・・・)どこかのレコーディングスタジオにでもいるような気分だった。
やがて大体話しがまとまったようで、「ほんじゃあ始めましょか?」とさりげなく始められてしまった。
とりあえず、今までずーっと練習してきた♪=80のテンポでやる。このテンポは結構スローで、
ボサノバアレンジにはあってると思うのだけど、テーマの部分がゆっくり過ぎてしまって
ブレスのタイミングが 結構難しい。ロングトーンが結構厳しいのだ(^。^;)
でもまあこの程度かな・・・と思いながらきばって吹いて、本人的には結構満足していたところ、
「これでもいいんだけどさぁ〜、もうちょぉっと早くしてみない?(-_☆)キラーン」
一番偉い先生がいきなりなことをおっしゃった。
「え”っ・・・・・・。玉砕すると思うんですけど・・・・・( ̄□ ̄;)!!」
「大丈夫♪ちょっとだけ、ちょっとだけね♪そのほうが楽しいと思うよ♪( ̄ー ̄)ニヤリッ」
そういって、彼の一言でテンポが速くなってしまった。
ちょっとテンポを上げただけでかなり違う。もう頭の中は大パニーック!まっしろけ!!
指を動かすのが精一杯。タンギングもブレスもめっちゃくちゃである。
「じゃあ、もうちょっと・・・」「そしたら、気持ちもっと早めに・・・」
その後フルコーラス演奏し終わるたびにテンポは速められ、気づいた時には♪=120になっていた。
「そうそう、これっくらいだと楽しいし、気持ちいいんだよね〜(^_-)-☆」
気持ちよくないっす・・・・辛いっす・・・・・。もう都合二時間ぐら吹きっぱなし。
しかもずっと立ったまま。
休憩なしで、である。
口は緩むわ、腰は痛いわ、手首は痛いわ
・・・。早いスピードのためにカミカミ病も再発し、
下唇の内側の皮がすでにキレてめくれている。
嗚呼、なんか漫画の主人公にでもなった気分・・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;)
「本当にこのテンポでやるんですかぁ〜???一杯一杯なんですけど・・・」
「そういう壁を乗り越えてこそおんがくが上達するってもんだよ(^_^)ニコ」
「そうそう、いっそのこと♪=130ぐらいで練習しておけば、本番で♪=115ぐらいでやった時に
『うわー、ゆっくりでやりやすい〜♪』って思えるっしょ?」
あ、あんなぁ・・・・・(-_-;)

かなりボロボロになった私は、「もう一回通しでやろう!」という先生方の笑顔の催促を
キッパリ断り(爆)、 普段でも重いサックスを更に重く感じながら駅に向かった。
「あ、腕時計忘れてきちゃった・・・・( ̄□ ̄;)!!」
あまりの疲労のため、演奏前に外してピアノの上に置いた腕時計を忘れてきてしまったのだ。
とほほ。
本当に大丈夫なんか、私は・・・・このペースで・・・・・。
駅前をうろうろする某新興宗教のしつこい勧誘に思わず誘われてしまいそうなくらい
ヨワヨワな私だった。

・・・・to be continued・・・・

【SAX奮闘記TOP】 【JAZZY NIGHT TOP】